政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連、東京都千代田区)をめぐる迂回(うかい)献金疑惑で、日歯連が平成22年にも同年の参院選で擁立した西村正美参院議員(51)=民主=の後援会に5千万円を寄付したほか、政党支部を経由する形で別途5千万円が西村氏の後援会に渡っていたことが1日、同年分の各政治団体の政治資金収支報告書などから分かった。計1億円が実質的に日歯連の寄付だと認定された場合、年間寄付上限額を5千万円と定めた政治資金規正法に抵触する恐れがある。

 各団体の収支報告書によると、日歯連は22年3月30日、「西村まさみ中央後援会」と西村氏が代表を務める「民主党参議院比例区第80総支部」に5千万円ずつを寄付。同支部は約1カ月半後の5月13日に5千万円を後援会に寄付した。

 産経新聞の取材に、日歯連は「政党支部の収支には全く関与しておらず、迂回寄付に当たるとは考えていない」、西村氏の事務所は「後援会への寄付は事実だが、政治活動に利用されるものであったと承知している。詳細は分からない」とそれぞれ文書で回答した。

 日歯連をめぐっては、16年にも自民党派閥への1億円ヤミ献金事件が発覚。さらに平成25年には西村まさみ中央後援会(代表・高木幹正日歯連会長)を経由するなどして、石井みどり参院議員(65)=自民=の後援活動を行う「石井みどり中央後援会」(同)に計9500万円が渡った疑いがあり、東京地検特捜部が今年4月30日、政治資金規正法違反の疑いで日歯連などを家宅捜索している。

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