むし歯でもないのに冷たい飲みものや甘いものでキーンとした痛みを感じる……。そんな症状を訴える方が特にこの時期は急増します。これは一般的に「知覚過敏」と呼ばれる疾患の一種です。

 ◇知覚過敏のメカニズム

 健康な歯の表層はエナメル質と呼ばれる硬い組織で覆われていますが、何らかの原因でこのエナメル質がはがれ、中の象牙質が露出することで、神経に刺激が伝わりやすくなり痛みが生じます。

 冷たいものだけでなく、温かいものや甘いもの、また酸味のあるものでも同様の症状が引き起こされます。

 知覚過敏が生じやすい部位は歯と歯ぐきの境目(歯のくびれた部分)ですが、ここはもともとエナメル質が薄く象牙質が露出しやすい場所だということを覚えておいてください。

 ◇原因は間違った歯磨き習慣と歯ぎしり

 硬めの歯ブラシでごしごしこする……。これが最も多い知覚過敏の原因です。

 過度な力がかからない握り方(一般的にはペングリップといって鉛筆を持つように握ります)で、歯を一本ずつ磨くイメージで小刻みに横に動かしましょう。適正なブラッシング圧は150~200グラムとされています。歯に当てた時に毛先が広がる場合は圧が強すぎるサイン! 歯と歯ぐきの境目を優しくマッサージする要領で磨くことがポイントです。

 また、粒子の粗い歯磨き粉も要注意! 電動歯ブラシなど、パワーのある器具を使用する場合は研磨剤の入っていないジェル状のものを選びましょう。

 ブラッシング以外の習慣で気をつけたいのが歯ぎしりです。歯をくいしばる癖があると、歯の根元に力が集中し、エナメル質がくさび状に欠けることがあります。噛(か)み合わせのバランスを整える。寝る時にはマウスピースを装着するなど、積極的な歯科治療を行い、大切な歯を守ってあげることが大切です。

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